こんにちは、カフェバイトをきっかけに、コーヒー好きになったルイです。
特に夏場はグビグビっと飲める、少し酸味の効いたアフリカ産のアイスコーヒーがお気に入りです。
そんなバイト先ではコーヒーに関する豆知識を勉強していたのですが、その時に学んだのが、エチオピアがコーヒー発祥の国だということ。
コーヒー発祥の地でコーヒーが飲みたい。
と言うことでコーヒーノキの原木とされる木がある、カファ県に行ってきました。
今回はエチオピア流の来客のおもてなし作法「コーヒー・セレモニー」を、コーヒー発祥の地で振る舞って頂いたことについてお届けします!
Special Thanks
今回訪れたカファ県のボンガというところは首都から400km離れており、ガイドブックにもネットにもあまり情報が乗っていない地域。
そこで、ガーナのチョコレートおじさんお兄さんこと、宮さんに無理なお願いを聞いてもらい、ボンガで働くJICA隊員さんを紹介して頂きました。
宮さん、そして現地でアテンドしてくださったJICAボンガ隊のみなさん、本当にありがとうございました!
コーヒー・セレモニーとは?
(photo by Doug Greenberg)
コーヒー・セレモニーとは、来客のおもてなしとしてコーヒーを振る舞う作業を儀式化したもので、日本でいう茶道のようなもの。
エチオピアでは女性が結婚前に身につける作法の1つだそうです。
庭や近隣にコーヒーの木がある地方では、乾燥させたコーヒーの果実から煎って「生豆」を取り出すところから始まります。それをさらに煎り、挽き、もてなすという一連の流れがコーヒー・セレモニーと呼ばれます。
ちなみに・・・
コーヒー豆は、コーヒーノキの果実の「種子」の部分を煎ったもので、本体の果実はこの様な構造になっています。焙煎する前のコーヒー豆は「生豆」と呼ばれます。
エチオピア流のおもてなし!コーヒー・セレモニー
今回は、政府系の仕事から脱サラし、蜂蜜兼コーヒー農家として起業したムルースさんというとてもパワフルな方のお宅で、素敵なおばあちゃんにコーヒー・セレモニーを振る舞って頂きました。
それではエチオピア流のおもてなしをご紹介します!
1. 乾燥させたコーヒーの果実を煎る
乾燥して茶色になったコーヒー豆を焦げ茶色になるまで煎ります。
2. ムカチャ(臼)とザナザナ(杵)で果実を挽く
そこまでしたらコーヒー豆が潰れちゃう、と思う程の力で果実をつぶすと、生豆が取り出せます。そしてお気づきかもしれませんが、ロケ地はキッチン兼牛小屋です。ワイルド。
3. 生豆以外を取り除く
お皿を振りながら汚れや、皮、果肉を飛ばし、薄緑色の生豆だけを残します。
4. 生豆を煎る
生豆が薄い緑色から焦げ茶色に変わっていき、コーヒー豆らしくなってきます。いい香り。
5. コーヒー豆を挽く
煎ったコーヒー豆を、おばあちゃんが経験に基づいてちょうど良い粗さまで挽きます。
6. お湯が入ったジャバナ(ポット)にコーヒー豆を入れる
たき火であたためたお湯に砕いたコーヒー豆を入れます。
7. テイスティング
「濃い!」とむせるおばあちゃん。お水を足して、温めて。ちょうど良い濃さにします。
8. 装飾されたコーヒーの台の上に容器をセットする
森林の香りを連想させるお香と、花やケテマという青草でコーヒー台の周りを装飾し、デミタスカップを並べます。
出来上がり!
ジャバナにはこし器がついていないため、豆かすが出ないようにゆっくりと、静かに注ぎます。
いれたてのコーヒーは、おつまみとして出されるポップコーンやパンと一緒に頂きます。
一回のコーヒーセレモニーでは、3杯ほどコーヒーを頂きます。
所要時間1時間のおもてなし
以上、エチオピアのコーヒー・セレモニーの紹介でした。
日本でいう「お茶しよう!」がエチオピアでは「家でコーヒーを飲もう!」だそうで、誘った人をコーヒー・セレモニーでもてなしながら、おしゃべりを楽しむそうです。
コーヒー発祥の地で、生豆を取り出す段階から1時間程かけて頂いたコーヒーは感動的で、格別でした。
そして、フライパンと時間さえあればコーヒー豆を機械を使わずして煎って、挽くことが出来るということに驚きました。
日々飲んでいるコーヒーには、原材料を育てる人がいて、加工する人がいて、届ける人がいて。
「食」だけではなくその背景にある「農」の存在を忘れてはならないな、と改めて思わせてくれた貴重な1時間半でした。
ブルースさん一家、JICAボンガ隊の皆さん、宮さん、素敵な時間をありがとうございました!